肌荒れは、乾燥やかゆみ、ニキビ、むくみなど原因も症状もいろいろ。そんなとき、漢方で体の内側から整える方法があります。自分の体質に合う処方を選べば、長く続く肌トラブルの改善をサポートしてくれます。
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【この記事のポイント】
- 漢方は症状だけでなく体質から肌荒れを整える
- 乾燥・かゆみ・ニキビ・むくみなど症状ごとにおすすめの漢方が異なる
- 漢方は服用のタイミングや量を正しく守ることで、肌荒れ改善の効果をより引き出せる
- 生活習慣の見直しと漢方を組み合わせると効果的
漢方で肌荒れをケアするために知っておきたい基礎知識

漢方の基本「気・血・水」と肌の関係
漢方は、中国のものと思っている方が多いかもしれませんが、古代中国の医学が6世紀に日本に伝わった後、日本の気候や風土・体質に合わせて改良されて発展してきた日本独自の医学で1500年以上の歴史があります。 漢方では、体の状態を「気・血・水(き・けつ・すい)」という3つのバランスでとらえます。「気」はエネルギーの流れ、「血」は栄養と潤いを運ぶ血液、「水」はリンパ液や体液などを指します。これらのバランスが崩れると、肌に不調が出やすくなります。
要素 | 働き | 乱れたときの肌の状態 |
---|---|---|
気 | 体を動かすエネルギー | 乾燥しやすい、疲れやすい |
血 | 栄養と潤いを届ける | くすみ、ツヤ不足 |
水 | 体内の水分循環 | むくみ、ニキビ、湿疹 |
たとえば、「気」が不足すると乾燥や免疫力の低下につながり、「血」が不足すればくすみや冷えが起こりやすくなります。また、「水」の巡りが悪くなると、むくみや吹き出物が出やすくなることも。こうした体の不調に対して、厚生労働省は漢方を医療の一部として位置づけ、国内で情報を発信しています。漢方は日本だけでなく、海外でも伝統医療の一つとして広く活用されています。
POINT
自分の肌荒れが「気・血・水」のどこに関係しているかを知ると、漢方選びがスムーズになります。
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自分の体質を知ることが漢方で肌荒れを改善する第一歩
漢方で肌荒れを改善するには、まず自分の体質を正しく把握することが欠かせません。体質によって合う漢方薬はまったく異なり、同じ肌荒れでも人によって原因や症状が違うためです。たとえば、乾燥しやすい人と、皮脂が多くニキビができやすい人では、選ぶべき処方や生活改善の方向性が変わります。
体質タイプ | 特徴 | 肌荒れの傾向 |
---|---|---|
気虚タイプ | 疲れやすく、冷えやすい | 乾燥肌、免疫低下による肌荒れ |
血虚タイプ | 顔色が悪く、めまいがしやすい | くすみ、ツヤのない肌 |
水滞タイプ | むくみやすく、胃腸が弱い | 吹き出物、むくみ |
体質は生活習慣や季節、ストレスの有無によっても変化します。たとえば、普段は健康でも仕事が忙しい時期や睡眠不足が続くと、気虚や血虚の傾向が強まり、肌荒れが悪化することがあります。逆に、湿度の高い季節や食生活の乱れは水滞を悪化させ、むくみや吹き出物の原因となります。
体質を正しく見極めるには、自己判断だけでなく、漢方薬局や医療機関での問診や舌診・脈診を受けるのが理想です。専門家の視点で自分の状態を分析してもらうことで、肌荒れの根本的な原因にアプローチしやすくなります。
POINT
体質を理解することで、肌荒れの原因を的確に見極め、より効果的な漢方選びが可能になります。
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漢方で肌荒れを改善へ|症状別おすすめ処方一覧

むくみや水太りによる肌荒れに向く漢方
むくみや水太りは、体内の水分代謝がうまくいかず「水」の巡りが滞っている状態です。漢方ではこれを「水滞(すいたい)」と呼び、余分な水分が体にたまることで血流や代謝が低下し、肌のターンオーバーも乱れやすくなると考えられています。その結果、顔や手足のむくみだけでなく、肌荒れや吹き出物が長引く原因にもつながります。
このような状態を改善するためには、体の余分な水分を排出し、巡りを整える処方を使います。代表的なものに「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」や「五苓散(ごれいさん)」があり、体を温めながら水分代謝を促します。特に冷えやだるさを伴う場合にも用いられることが多いです。日常生活では塩分の摂りすぎを控え、軽い運動で血流をサポートすることも大切です。
POINT
水滞タイプの肌荒れは、水分代謝を整える漢方で内側からアプローチしましょう。
赤みや熱を伴うニキビに向く漢方
赤みや熱を帯びたニキビは、漢方では体内に「熱」がこもり、炎症が起きている状態と考えます。特に顔がほてったり、触れると熱感がある場合は、この「実熱(じつねつ)」の傾向が強いとされます。このタイプの肌荒れは、皮脂の過剰分泌や食生活の乱れ、ストレスなども関係しやすく、悪化すると膿を持つこともあります。
「清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)」や「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」は、余分な熱や炎症を鎮める作用があり、赤みや腫れを落ち着かせるサポートをします。日常生活では、刺激の強い食べ物や寝不足を避け、炎症を悪化させないようにすることが改善への近道です。
POINT
実熱タイプの肌荒れは、熱を冷ます漢方で炎症と赤みをケアしましょう。
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生理前に悪化するニキビに向く漢方
生理前に肌荒れやニキビが悪化するケースは、ホルモンバランスの変化による「気血(きけつ)」の巡りの乱れが大きく関わっていると漢方では考えます。この時期は血流や気の流れが滞りやすく、その停滞が熱や老廃物のこもりにつながり、肌トラブルを引き起こします。
「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」や「加味逍遙散(かみしょうようさん)」は、血の巡りを整え、気の停滞をやわらげる処方です。PMSの症状が強い方にも用いられ、イライラや冷え、肩こりの改善にもつながります。日常では冷たい飲み物を控え、体を冷やさないことが症状の軽減に役立ちます。
POINT
気血の巡りを整えることで、生理前の肌荒れやニキビ悪化を予防できます。
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化膿しやすい吹き出物に向く漢方
化膿しやすい吹き出物は、皮膚の奥に熱と老廃物がたまり、炎症が悪化している状態です。漢方では、このような症状を「熱毒(ねつどく)」や「膿腫(のうしゅ)」ととらえ、膿を排出しながら炎症を鎮める処方を用います。「排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)」や「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」は、膿を外に出し、化膿の進行を抑える効果が期待されます。
化膿した部位は放置すると跡が残りやすく、悪化すると広範囲に炎症が広がることもあるため、早めのケアが重要です。食生活では、揚げ物や脂っこい食品を控え、腸内環境を整えることで肌の免疫力を高めるサポートになります。
POINT
熱毒タイプの肌荒れは、膿を排出し炎症を鎮める漢方で早期対処を。
乾燥やかゆみに向く漢方
乾燥やかゆみを伴う肌荒れは、肌を潤すための「血」や「陰液(いんえき)」が不足している状態です。漢方ではこのような状態を「血虚(けっきょ)」や「陰虚(いんきょ)」と呼び、体内の潤い不足が原因で肌のバリア機能が低下していると考えます。そのため、かゆみやひび割れが起こりやすくなります。
「当帰飲子(とうきいんし)」や「温清飲(うんせいいん)」は、血を補いながら肌を潤し、かゆみをやわらげる処方です。加齢や体力低下、季節の影響で乾燥が悪化しやすい方にも向きます。入浴時は熱すぎるお湯を避け、入浴後はすぐに保湿ケアを行うことが重要です。
POINT
血虚・陰虚タイプの乾燥肌は、潤いを補い血流を整える漢方で内外からケア。
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胃腸の不調からくる肌荒れに向く漢方
胃腸の働きが弱まると、栄養吸収がうまくいかず肌の再生力が低下し、肌荒れが慢性化しやすくなります。漢方では、胃腸は「脾胃(ひい)」と呼ばれ、全身に栄養を届ける要の器官とされています。脾胃が弱ると血や気の生成が不十分になり、肌の潤いや弾力が失われやすくなります。
「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」や「六君子湯(りっくんしとう)」は、消化吸収を助け、気力と体力を回復させる処方です。特に胃もたれや下痢を繰り返す方に向き、体質改善と肌荒れ予防を同時に目指せます。日常生活では、過食や不規則な食事を避け、温かい食事を中心に胃腸に負担をかけないよう心がけましょう。
POINT
脾胃を整えることで栄養が巡り、肌荒れの根本改善につながります。
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くすみ・シミなどの肌荒れ症状に向く漢方
くすみやシミは、血流の滞りや老廃物の蓄積、紫外線や加齢によるメラニンの過剰生成などが複合的に関わっています。漢方では、このような状態を「瘀血(おけつ)」と呼び、血の巡りを促すことで透明感のある肌を目指します。瘀血が続くと栄養や酸素が肌に届きにくくなり、ターンオーバーが乱れ、くすみや色素沈着が改善しにくくなります。
代表的な処方には「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」や「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」があり、血流を促して老廃物の排出をサポートします。加えて、日常生活では紫外線対策や十分な睡眠、バランスの良い食事も欠かせません。血流を整えることは、美白ケアと同じくらい重要なポイントです。
POINT
瘀血タイプのくすみ・シミは、血流を促す漢方で肌の透明感を引き出しましょう。
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肌荒れ改善に向く漢方を一覧で紹介
ここまで紹介した漢方を一覧にまとめると、以下のようになります。肌荒れの症状や原因は人によって異なるため、タイプに合った漢方を選ぶことが改善への近道です。
症状タイプ | 代表的な漢方 |
---|---|
むくみや水太り | 防已黄耆湯、五苓散 |
赤み・熱を伴うニキビ | 清上防風湯、黄連解毒湯 |
生理前悪化型ニキビ | 桂枝茯苓丸、加味逍遙散 |
化膿性吹き出物 | 排膿散及湯、十味敗毒湯 |
乾燥・かゆみ肌 | 当帰飲子、温清飲 |
胃腸不調型肌荒れ | 補中益気湯、六君子湯 |
しみ・くすみ | 桂枝茯苓丸、桃核承気湯 |
POINT
症状タイプに応じた漢方を使い分けることで、肌荒れ改善の効率が高まります。
肌荒れ対策に漢方を使う際のQ&Aと注意点

肌荒れに漢方を摂取する正しい服用タイミングと量
漢方は「必要な時に飲めばすぐ効く」という即効性よりも、体質や巡りを徐々に整えていく性質があります。そのため、肌荒れ改善を目的にする場合は、症状や体質に合わせて継続的に服用することが大切です。一般的には、食間(食後2時間ほど)に服用することで成分が吸収されやすくなります。これは胃腸が空いているタイミングのほうが有効成分がダイレクトに届くと考えられているためです。
量については、処方箋がある場合は必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。市販の漢方薬でも、パッケージに記載された分量を守ることが基本です。「早く治したいから」と自己判断で量を増やすのは逆効果になる可能性があり、胃腸に負担をかけたり、別の不調を招くことがあります。
また、漢方は体質や季節によって必要な処方が変わる場合もあります。肌荒れが改善してきても、急にやめるのではなく、医師と相談しながら服用期間や量を調整しましょう。
POINT
漢方は食間の服用が基本。量は自己判断せず、必ず指示に従いましょう。
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肌荒れに漢方を使う際のQ&A
ここでは、肌荒れ改善のために漢方を取り入れる際によくある質問をまとめました。初めて漢方を試す方や、今後も継続しようと考えている方は参考にしてください。
Q. 漢方は飲みにくい味ですが、工夫してもいいですか?
A. 苦味や独特の香りが苦手な場合は、ぬるま湯で溶かす、カプセルタイプを選ぶなどの方法があります。ただし、ジュースやコーヒーなど味の濃い飲み物と混ぜると成分が変化する可能性があるため避けましょう。
Q. 漢方を飲むときに避けたほうがいい食べ物はありますか?
A. 一部の漢方は、冷たい飲み物や脂っこい食事、刺激の強い香辛料などと一緒に摂ると効果が弱まる場合があります。服用中は、なるべく温かい飲み物や消化の良い食事を心がけると効果を実感しやすくなります。
Q:漢方は飲み続けないと効果が出ないのですか?
A:肌荒れへの効果は、症状や体質によって異なります。即効性が出ることもあれば、数週間〜数か月かけて改善する場合もあります。一般的には、体質改善を目的とするため継続が大切です。
Q:市販の漢方でも肌荒れに効果はありますか?
A:市販の漢方でも、自分の症状に合っていれば肌荒れを改善する効果が期待できます。ただし、同じ漢方の名前でも、市販品は医療用より生薬の配合量を少なめにしている場合があります。
Q:漢方とスキンケアは併用しても大丈夫?
A:問題ありません。むしろ、肌荒れは外側と内側の両方からケアすると効果的です。保湿や紫外線対策などの基本的なスキンケアと並行して行いましょう。
POINT
漢方は肌荒れの根本改善を目指せますが、正しい処方選びと継続が成功のカギです。
自分に合った漢方を選び、無理のない範囲で生活に取り入れることが、肌荒れ改善への近道です。焦らず、体質の変化を感じながら継続することで、内側から健やかな肌を育てていきましょう。
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かゆみや乾燥など肌荒れに漢方を使う際の注意点
肌荒れへの漢方活用は、体質や症状に合えば有効ですが、安全に続けるためにはいくつかの注意点があります。特にかゆみや乾燥を伴う肌荒れは、原因が多岐にわたるため慎重なアプローチが必要です。
- 自己判断での長期服用は避ける:症状が改善しない場合、別の処方が必要なこともあります。専門家に定期的に状態を報告しましょう。
- 季節や生活環境の変化に合わせる:乾燥しやすい冬と湿気の多い夏では、適した漢方や用量が変わることがあります。
- 水分補給と保湿を怠らない:漢方は体内からのケアですが、外側の乾燥対策も同時に行うことで改善が早まります。
- 他の薬との飲み合わせに注意:処方薬や市販薬、サプリメントとの併用は注意が必要です。成分が影響し合う場合があるため、服用前に必ず医師や薬剤師へ相談しましょう。
- 副作用や体調変化に敏感になる:まれに胃腸の不快感や発疹などが出る場合があります。違和感を感じたら服用を中止してください。
- 食生活も見直す:脂っこい食事や刺激物は肌荒れを悪化させることがあるため、漢方と合わせて控えると効果的です。
POINT
漢方で肌荒れをケアする際は、内外からのケアを組み合わせ、症状や季節の変化に合わせて調整することが大切です。
【参照元】厚生労働省、EPARK十味敗毒湯の効果・効能、こばとも皮膚科 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、東京医科大学病院