漢方で肌荒れを改善する仕組み20代の方や更年期の方にも

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「肌荒れがなかなか改善しない」「スキンケアを頑張っても変化がない」――そんな悩みを抱える女性は、実は体の内側に原因があるかもしれません。とくに20代後半からのホルモンバランスの変化や更年期による体調のゆらぎは、肌トラブルと深く関係しています。そんなとき、注目されているのが“漢方”による体質改善です。この記事では、更年期を迎える女性を含め、体の根本から肌荒れを整える漢方の魅力について詳しくご紹介します。

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肌荒れの原因は、スキンケア不足だけでなく、体内バランスの乱れにあることも多く、特に20代後半からのホルモンの変化や更年期の影響は見逃せません。漢方は「気・血・水」という体の基本構造を整えることで、内側からの肌質改善を目指す伝統医学です。

本記事では、肌タイプ別に適した代表的な漢方薬(十味敗毒湯・荊芥連翹湯・当帰芍薬散・桂枝茯苓丸・温清飲)を紹介し、漢方が更年期にもたらすプラス効果や、効果的な服用法、生活習慣の整え方についても解説します。

ストレス・腸内環境・睡眠といった肌と密接な関係にある要素を整えることで、漢方の力を最大限に引き出すポイントも取り上げています。

肌荒れに悩むすべての女性が、自分に合ったケアを見つけるためのヒントとなる情報をお届けします。

漢方で肌荒れを改善する仕組み20代の方や更年期の方にも

「気・血・水」から考える肌トラブルの原因

漢方の基本理論である「気・血・水」は、体の内部バランスを示す重要な概念です。「気」は生命エネルギーで、全身に活力を与えるもの。「血」は栄養と潤いを運ぶ血液の働き、「水」はリンパ液や体液などを指します。これらのバランスが崩れることで、肌にもさまざまな不調が現れると考えられています。

例えば、「気虚(ききょ)」はエネルギー不足の状態で、疲れやすく、肌が乾燥しやすくなります。「血虚(けっきょ)」になると、肌にツヤがなく、くすみがちに。「水滞(すいたい)」は水分の巡りが悪くなり、むくみやニキビが出やすくなるとされています。このように、気・血・水の状態を整えることが、肌の根本的な改善につながるのです。

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体質タイプ(乾燥・湿熱・瘀血など)の見分け方

肌荒れの原因は一人ひとり異なるため、自分の体質を知ることが非常に重要です。漢方では、主に「乾燥タイプ」「湿熱タイプ」「瘀血(おけつ)タイプ」などに分類され、それぞれの特徴に応じた漢方薬を選ぶことで効果的な改善が期待されます。

  • 乾燥タイプ:肌がカサつきやすく、冷え性気味。便秘や生理不順がある人に多い。
  • 湿熱タイプ:顔のべたつき、ニキビ、赤みが出やすく、脂っぽい食事を好む傾向がある。
  • 瘀血タイプ:血の巡りが悪く、顔色がくすんだり、シミ・ソバカスができやすい。月経痛が強い人も多い。

このようなタイプ分けは、自覚症状と生活習慣からある程度推測できますが、正確な判断のためには専門家による問診を受けるのが理想的です。

ホルモンバランスと更年期の肌荒れの関連性

20代後半から始まるホルモン分泌の変化は、肌質にも大きな影響を与えます。特にエストロゲン(女性ホルモン)は、コラーゲンの生成や肌の水分保持に関与しているため、分泌量が減少すると、肌の乾燥やハリの低下、シミ・シワの増加といったトラブルが現れやすくなります。

更年期に入ると、ホルモンバランスの乱れはさらに顕著になり、自律神経の不安定さからストレスや睡眠不足も重なりやすく、それが肌荒れの引き金となることも少なくありません。このような肌荒れは、従来のスキンケアだけでは改善しにくく、内側からのアプローチが求められます。

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漢方が更年期症状の緩和に果たす役割

漢方は、肌荒れの直接的な改善だけでなく、更年期特有の体の変化に幅広く対応できる点が特徴です。例えば、更年期の女性に多い冷え、のぼせ、イライラ、動悸、めまいなどの症状は、ホルモンの減少によって自律神経が乱れることが原因とされています。

漢方ではこれらの不調を「腎虚(じんきょ)」や「肝気鬱結(かんきうっけつ)」などと捉え、体質全体を整える処方が用いられます。その結果、肌の状態も改善されるケースが多く見られます。とくに「当帰芍薬散」や「桂枝茯苓丸」などの処方は、更年期障害に伴う肌トラブルに対しても穏やかに作用し、体調と肌の両面からサポートする役割を果たします。

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肌荒れタイプ別・更年期にもおすすめの漢方薬の選び方

湿熱型:炎症・赤みが出やすい肌に(十味敗毒湯)

湿熱タイプは、体に「余分な熱と湿気」がこもっている状態とされ、赤く腫れたニキビや吹き出物、肌のべたつきが気になる人に多く見られます。特に食生活の乱れや胃腸の不調、過剰なストレスによって体内に熱が生じ、それが皮膚症状として現れるとされます。

このタイプにおすすめなのが「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」です。解毒・抗炎症作用を持つ10種の生薬が配合されており、湿疹や膿を伴う吹き出物の改善に効果的です。顔・背中・胸元などのニキビにも対応し、思春期の皮脂分泌が活発な若年層から、ホルモン変動による大人ニキビまで幅広く使われています。

体力が中等度ある方に向いており、皮膚科で保険適用されることも多い処方です。湿熱体質を持つ更年期世代の女性にとっても、漢方による内側からの肌トラブルケアとして非常に有効です。

血熱型:ホルモン変動による熱感肌に(荊芥連翹湯)

血熱タイプとは、血液に熱がこもる体質で、特にホルモンバランスの乱れが原因で起こりやすいとされます。顔の赤み、熱感を伴うニキビ、肌のほてりが出やすく、皮膚の炎症を伴うことも多いタイプです。生理周期によって悪化する場合や、精神的ストレスと連動するケースもあります。

「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」は、16種類の生薬が配合された処方で、解毒・清熱・抗炎症の働きがあります。特に「血熱」や「肝火上炎(かんかじょうえん)」と呼ばれるストレス由来の熱症状に効果を発揮し、更年期でイライラしやすい、のぼせや赤ら顔などがある方にも適しています。

この処方は、ストレスケアと肌トラブル改善を同時に目指すため、更年期女性にとって精神面と肌の両面を支える漢方薬として重宝されます。

冷え・乾燥タイプ:乾燥肌・更年期症状に(当帰芍薬散)

乾燥タイプの肌荒れは、皮膚のバリア機能が低下しやすく、外的刺激にも弱くなりがちです。また、冷え性や生理不順など、女性ホルモンの乱れが関連する体質が背景にあることも多いです。

「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」は、女性の体調管理に広く使われる6種の生薬を含む漢方薬で、血の巡りを良くし、水分バランスを整える働きがあります。体が冷えて血行不良がある方や、ホルモンバランスの乱れにより乾燥肌やくすみが現れている方におすすめです。

PMS(月経前症候群)や更年期症状の緩和にも用いられることが多く、体力があまりない人にも穏やかに作用する点が特徴です。乾燥と冷えを同時に感じる肌荒れタイプに適しており、肌の潤いと血流を改善していくサポートをします。

瘀血改善:くすみ・シミ・更年期の肌荒れに(桂枝茯苓丸)

「瘀血(おけつ)」とは、血流の停滞や巡りの悪さを示す漢方特有の概念で、肌においてはくすみ、シミ、慢性ニキビといった形で現れやすいです。更年期女性に多い「顔色が悪い」「なんとなく肌にツヤがない」といった症状の裏に、この瘀血体質が潜んでいることも少なくありません。

「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」は、血流を改善し代謝を高める働きを持つ5種類の生薬で構成されており、ホルモンバランスの乱れによって起きる肌トラブルに対応します。比較的体力のある女性向きで、冷えと熱の両方を整えつつ、滞った血の流れを促す作用があります。

慢性的なニキビが治りにくい方や、月経不順・月経痛など婦人科系の不調を抱える方にもよく処方され、更年期世代の肌荒れ改善と体の巡りを整える漢方として非常に信頼されています。

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乾燥赤みタイプ:アトピー・皮膚バリア向上に(温清飲)

乾燥しやすく、かゆみや赤みが出やすい肌質の方には「温清飲(うんせいいん)」が適しています。皮膚のバリア機能が低下し、外からの刺激を受けやすい状態になっている場合、肌が過敏になり、炎症を繰り返すこともあります。特にアトピー傾向のある方や、季節の変わり目に肌トラブルが出る方に多く見られます。

温清飲は、体の内部にこもった「熱」を冷ましつつ、「血」の巡りを改善し、「冷え」も同時に整えるという2つの作用を併せ持つ点が大きな特長です。女性ホルモンのバランスや皮膚代謝を整える働きが期待され、更年期世代の乾燥性敏感肌にも非常に適しています。

皮膚科でも処方されることが多く、アトピー性皮膚炎、乾燥肌、肌の赤み・かゆみが気になる方に、長期的に体質改善を図る方法として推奨されることが多い漢方薬です。

【肌荒れにおすすめの代表的な漢方薬一覧表】

漢方名主な特徴適応症状・体質
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)解毒・抗炎症作用。湿熱の排出を助ける。膿を伴う吹き出物、思春期・大人ニキビ、中等度の体力
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)血熱を冷ます。ストレスや自律神経の乱れにも対応。赤み・熱感のあるニキビ、湿疹、精神的負担がある人
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)血行促進、水分調整、ホルモンバランスの改善。冷え性、月経不順、乾燥肌、体力がない女性
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)瘀血改善、代謝促進、ホルモン関連の肌トラブルに。くすみ、慢性的なニキビ、シミ、比較的体力がある女性
温清飲(うんせいいん)冷えと炎症を同時に改善、バリア機能を高める。乾燥肌、赤み、かゆみ、アトピー、冷えがある体質

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肌荒れ対策の漢方効果を高める生活習慣&注意点

ストレス・自律神経対策で相乗効果を出す方法

漢方の効果を最大限に引き出すには、体の根本にあるストレスや自律神経の乱れにもしっかり目を向けることが大切です。とくに現代女性は仕事や家庭、人間関係など多方面からストレスを受けやすく、自律神経のバランスが乱れがちです。

自律神経が乱れると、ホルモン分泌にも影響を与え、肌のターンオーバーが遅れたり、免疫が低下して吹き出物が出やすくなったりします。漢方では、こうした不調に「肝」の乱れが関係しているとされ、「気滞」や「肝気鬱結」の状態を整えることが重要とされます。

そのため、日常生活でも深呼吸やストレッチ、瞑想、アロマなどを活用し、ストレスを“ためない・流す”習慣を意識しましょう。ゆったりとしたリズムの音楽を聞いたり、五感を刺激する香りや色を取り入れることも、漢方の体質改善効果を高める助けになります。

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腸内環境を整えて漢方の吸収アップ

腸内環境が整っているかどうかは、肌の調子に直結します。腸内には全身の免疫細胞のおよそ70%が存在しているとされ、腸が不調になると体全体のバランスが崩れやすくなります。便秘や下痢、ガスのたまりやすさなどが続くと、老廃物が体内に蓄積され、それが肌荒れや吹き出物といった形で表面化することがあります。

さらに、漢方薬の有効成分は腸で吸収されるため、腸内の状態が悪いとせっかくの漢方の効果も十分に発揮されにくくなってしまいます。特に更年期を迎える年代では、腸のぜん動運動が弱まる傾向があり、腸内環境が悪化しやすいため、意識的に整える努力が必要です。

腸内環境を整えるためには、まず「発酵食品」を日々の食事に取り入れることがポイントです。納豆、キムチ、味噌、ヨーグルト、ぬか漬けなどに含まれる乳酸菌や酵母菌が腸内の善玉菌を増やし、腸内フローラのバランスをサポートします。また、善玉菌のエサとなる「食物繊維」も不可欠です。ごぼう・れんこん・ひじき・大根・海藻類などをバランスよく取り入れましょう。

反対に、白砂糖や小麦を多く含む加工食品、脂っこい食事の頻度が高いと、腸内の悪玉菌が増えやすくなり、炎症を起こしやすくなります。とくにスナック菓子や市販の菓子パンなどはできるだけ控えるようにしましょう。過食や夜遅い時間の食事も腸に負担をかけ、翌朝の肌の調子にも影響を与えます。

また、腸内環境の改善には「生活習慣」も密接に関係しています。毎朝コップ1杯の白湯を飲むことで腸を優しく目覚めさせることができ、軽いストレッチや腹式呼吸を行うことで、腸の血流や動きが促進されます。食事だけでなく、こうした“ちょっとした習慣”の積み重ねが、腸を整え、結果的に漢方薬の吸収率を高めることにつながります。

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肌荒れに漢方を摂取する正しい服用タイミングと量

漢方薬を効果的に取り入れるには、「いつ・どのように飲むか」が非常に重要です。漢方は体質をゆるやかに整える“根本治療”を目的とするため、日々の服用の積み重ねが大切です。まず基本となるのは服用のタイミング。多くの漢方薬は「食前(食事の30分前)または食間(食後2時間程度)」の服用が推奨されています。これは、胃の中が空に近い状態の方が、生薬の有効成分が効率よく吸収されるからです。

一方で、空腹時に漢方を飲むと「胃がムカムカする」「お腹が冷える感じがする」という人もいます。とくに胃腸が弱い体質の方や、冷えやすい女性にはそのような反応が出やすい傾向があります。そのような場合は、無理をせず「食後」に服用する形でも大丈夫です。漢方は本来、体質やその人の状態に合わせて柔軟に取り入れるもの。毎回同じ時間に飲まなくてはならないというものではなく、“続けやすい方法で継続する”ことが何よりも大切です。

さらに、服用時の「飲み物」にも注意が必要です。理想的なのは、常温または人肌程度の「ぬるま湯」で飲むこと。冷たい水は胃腸を冷やし、温まりを必要とする漢方の効果を阻害してしまうことがあります。また、緑茶やコーヒーのようなカフェインを含む飲料は、漢方薬の一部の成分と反応して吸収を妨げる可能性があるため、避けた方が無難です。

服用期間に関しても注意が必要です。漢方薬は一度飲んだからといってすぐに肌が変わるものではありません。肌荒れの原因は長年の生活習慣やホルモン変化、内臓の不調など複合的であるため、効果が出るまでにある程度の期間がかかります。一般的には、最低でも「1ヶ月」、多くの場合は「2~3ヶ月」の継続服用で体質の変化を感じられることが多いとされています。

とはいえ、体に合わない漢方を無理に続ける必要はありません。服用中に「吐き気」「下痢」「動悸」「めまい」などの副作用や違和感を感じた場合は、すぐに服用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。また、妊娠中・授乳中の方、持病のある方は、必ず専門家と相談したうえで選ぶようにしてください。

最近ではドラッグストアや通販でも漢方薬が手軽に入手できる時代ですが、「肌荒れ=この漢方」と決めつけるのは危険です。同じ肌トラブルでも、体質や原因が異なれば、選ぶべき処方も変わってきます。できるだけ、漢方に精通した医師や薬剤師によるカウンセリングを受け、自分の体質に合った処方を見つけることが、漢方の力を最大限に活かすための第一歩です。

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【参照元】厚生労働省EPARK十味敗毒湯の効果・効能こばとも皮膚科 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

この記事を書いた人

「WAZO女の美健心」編集部

「WAZO女の美健心」編集部

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